当社が生産している産業機械の進化に限界はありません。CNC制御を採用して、生産性と精度を大幅に向上させたほか、安全性や環境性能を大幅に向上させた機械へと進化しています。当社はその進化を支え、あらゆる可能性を現実のものとして実現させることでお客様の期待に応え続けていきます。
ものづくりの現場で、一人ひとりが訓練や経験を通じて、身体の感性を高めていくと、機械に触れたり見たり聞いたり嗅いだりする中で、振動、温度、臭い、音、色から、正常か、異常かを判断することができるようになっていきます。技能は頭だけで考えるのではなく、反射的に対応できるように体で覚えることも大切なのです。当社では各人がプロとしてのプライドと意識をもち、五感を研ぎ澄まし、モノ作りの道を究める努力を継続しています。
そうやって培ってきた技術力があってこそユーザーの様々なニーズに応え、正確無比でタフな産業機械を製作し提供し続けることが出来ているのです。
当社の製作する産業機械は正確さと耐久性が高く評価されています。当社が完成品まで手掛ける中型プレス機械ともなると最大で120トンもの重量となります。その巨大な機械が何十年もの期間故障なく動き続けるには加工精度と正確な組付け作業が不可欠です。百分の一ミリ単位のズレや加工ミスが何年もかかって産業機械を蝕んでいき、最終的には大きな故障につながってしまいます。どんなに複雑な加工でも、難易度の高い組立であっても図面で指示されたとおりに現場で作り上げること、当たり前のことを当たり前にやり遂げる力が当社の製品力を支えています。
当社の現場力の源泉はコミュニケーション力です。当社の一日は朝礼と打ち合わせで始まります。本日の業務予定は、申し送り事項は、安全確認重点事項は、数々の情報が飛び交う時間です。そこで上司の指示を真剣に聞き取る様子や、部下の反応や顔色からその日の体調まで判断する姿こそが、毎日の凝縮されたコミュニケーションなのです。強固な人間関係とそれに裏付けされた意思疎通こそがいざという時に総力を挙げて困難を乗り切る力となり、出来ないことも成し遂げてしまう現場力を生み出しています。
当社では加工、組立、検査、技術開発、生産管理などの部門で多彩な人材が当社の品質を支え続けています。企業の持続的な成長を支えるのはヒト=従業員であり、会社にとってかけがえのない財産です。
財産と呼べる人材を育成していく原動力となっているのが社員の自主性と創造性を尊重し、個性と能力を最大限に引き出して充実感を実感できる環境を整えるという当社の伝統です。創業以来貫かれている精神です。上司は部下の自主性と自発性を尊重し、一人ひとりを公正に評価し、公平に取り扱うこと、および従業員の自己実現の欲求と組織の目標を調和させて、その目標達成に向けて個々人の力を最大限に発揮させるために、日々、部下に気配りすることを叩きこまれます。
一方で若手社員は、自らの意志で積極的に学び、失敗を恐れずに挑戦し、その業務に関連した専門知識、技術、技能を一生懸命に吸収します。成功した事も失敗した事も大きな経験となり積み上げられ、将来の貴重な財産になっていきます。
もちろん全社的な技能向上への取り組みにも力を入れ、現在当社には2級以上を取得している技能士が56名にまで増えており、多くの従業員が意欲的により高いレベルの資格を目指す取り組みを続けています。
全員が安全を意識して身の回りを整理整頓していかなければ、安全な作業環境は作れません。作業現場だけでなく事務所でも、整理整頓が行き届いた職場では、作業伝票や報告書類など必要な物がすぐ取り出せる様になっていて、円滑に仕事ができます。整理整頓が十分でないと、探し物が増え、必要なものが見つからない状態になり、仕事の能率が低下し、怪我やトラブルの原因にもなります。
安全が脅かされる現場で良いものづくりが出来るはずがありません。安全が確保されて初めて人はものづくりに集中できるからです。当社では指差確認の定着化や度重なる安全パトロール、ヒヤリハットの即時提出の励行、リスクアセスメントと設備改善によって安全な職場づくりを究め続けています。
製品力を高める努力は日々現場で続けられています。当社では作業者一人一人から多種多様な改善策が随時提案されています。機械や工具、そしてレイアウト・作業手順に至るまで、大がかりなものからちょっとした工夫まで様々です。またやりづらい作業に着眼した安全改善も数多く提案されています。現場からの改善の積み重ねと全社への水平展開が現場力の源泉となっています。
大物部品(フレーム)から小物部品まで、小型で持ち運びも可能なレーザー三次元測定機の「レーザートラッカー」や世界最大級の据え置き接触式三次元測定機である「門型三次元測定機」も駆使しながら100分の1ミリ単位まで測定しています。この高精度が当社の製品の品質の裏付けとなっています。
設計(図面)不良及び社内加工製造品や購買品の不良を測定検査により厳しくチェックし、不良と認定されれば即座に不具合発生部門へ「不具合検査表」を発行します。発行を受けた部署では原因究明と再発防止策の策定に期限を定めて取り組み、不具合の撲滅に努めています。
当社で測定した実測値についてはその全てを「単品検査表」に記載して記録を残し管理しています。またISO9001に基づいての作業や各種書類の作成も行っており、当社の品質を目に見える形で現すことで更なる向上へと導いています。
それでも不良や失敗が発覚すれば、関係者全員が同じ間違いを起こさないように仕組み(システム)、設計構造、評価基準等を見直し、「標準化」を行い、新しく決めた内容を理解し確実に実行、厳守します。製品の不具合が起こったときは改善の機会と捉え、PDCAサイクルを廻し、再発防止に全力を尽くし、職場のレベルアップを図る機会としています。
企業活動の基本は、製品やサービスの提供を通じて、お客様に喜んで頂くことにあります。
お客様の期待に添い、さらにはそれを超えるような最高の製品やサービスを提供し、お客様がより多くの利益をあげられるように、私たちは努力を重ねています。
お客様視点での取り組みが、当社には技術の革新を、従業員一人一人には仕事に取り組む意欲を喚起し、最終的には会社はより多くの顧客からより多くのビジネスに恵まれ、従業員には心身ともにより豊かな生活をもたらしてくれると確信しています。
従業員が100人いて、100人中99人がお客様のことを考えて仕事をしていても、たった1人がお客様の期待を裏切るようなことをしてしまうと、そのお客様は、残り99人の従業員と会社に対して悪い印象を抱き、一生懸命に取り組んでいる仲間の努力が一瞬にして吹き飛んでしまいます。
逆に、たった1人の素晴らしい仕事ぶりや対応が、お客様の満足となり、会社の高い評価につながることがあります。製造部門であれ、営業部門であれ、誰かが見ていても、見ていなくても、1人ひとりが「自分は会社の代表である」との意識とプライドをもち、お客様の為を忘れずに日々の仕事に取り組んでいます。